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Manzanilla

図書館戦争への愛と妄想が暴走した二次創作ブログ ネタバレ有りにつき要注意!

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【Bitter×Sweet】

とあるお菓子からイメージが沸いたもので。
詳しい商品名はあとがきにw

お菓子の話なので、あの人も久しぶりに登場です。
後半、なんかグダグダ方向に雪崩ました(爆)

では一応注意書きを。

※この作品にはオリジナルキャラクターが登場します。

それでもいいという方は追記からどうぞ!

【Bitter×Sweet】
時期:危機あたり 堂上班+α


「ほれ」
デスクにことんと置かれたマグカップに、堂上の顔が思い切り強張った。

置いた主は振り返らずともわかる。
関東図書隊、男子スイーツ部部長とも言われる宇田川二正だ。

いかつい外見に似合わず面倒見の良い宇田川は、他班の者にも時折こうしてコーヒーを淹れるといった気配りを見せるのだが、問題はそのコーヒーが砂糖とミルクがかなり多めに投入されたベタ甘な代物だということである。

甘いものが苦手な男性隊員の間では「恐怖の宇田川コーヒー」と恐れられているのだが、本人は「疲れた時には甘いものだろ?」という、あくまで純粋な善意で淹れているので余計にたちが悪い。

そのため、受け取ったものは何とか必死に飲み干すか、一口だけ口をつける振りをして後は仕事が忙しくて飲む暇もないと冷めるまで放って置くかの二択を迫られるのだ。

宇田川のコーヒーを受け取った者は必然的に事務処理の速度が上がるということもあり、特殊部隊の事務手続きを一手に引き受ける緒形などは、むしろこの行為を好ましく思っていたりもする。ただし、自分に回ってこなければという注釈がつくが。


「そう露骨に顔をしかめんでもいいだろうが」
宇田川は堂上のあからさまな表情に思わず苦笑した。

「コーヒーなら自分たちで淹れますから、余計な気遣いをしていただなくても結構です」
憮然と答える堂上の言葉に、事務室内に残っていた隊員の多くが心の中で賛同した。

「まあ、そう言うな。ちょっと面白いものを手に入れてな。コレを食えば俺のコーヒーの有難味もわかるだろうよ」
そう言って取り出したのは、個包装された小さな菓子だ。

宇田川は包装を破ると中身を二つに割り、一つを堂上に差し出した。

「この上、更にチョコレートなんてッ...ぐっ」
堂上がきっぱりと拒否するのも構わず、宇田川はその口に無理やりチョコを放り込んだ。

堂上の口の中に強烈なカカオの香りが広がり、次の瞬間、その表情が微妙に変化した。

「ほれ。甘くないだろうが」

チョコがゆっくりと溶け出すと同時に口に広がった味は甘みではなく、強烈な苦味だ。
堂上は思わず宇田川の淹れたコーヒーを一口含んだ。

「どうだ?」

してやったりといった表情を浮かべる宇田川が少し憎らしい。

「それ、何なんですか?」
興味深そうな声をあげたのは手塚だ。

「これか?これはな...」

そういって宇多川が取り出したのはチョコレートの箱である。
その箱には大きく「カカオ95%」と表示されていた。

「時期的に色んなチョコが出てるから、班員で食べ比べしてたんだがよ。カカオ85%くらいまではチョコだと思えるんだがなあ、さすがに90%超えたら別物でな」

要するに、苦すぎて班内で持て余したものを押し付けにきたということらしい。

「裏面みたら『甘い飲み物と一緒に少しづつお召し上がりください』って書いてあったからな。コーヒー淹れてやったというわけだ」

得意そうに語る宇田川を横目に、堂上は小さく溜息をついた。
認めたくはないが、あのベタ甘コーヒーがはじめて旨いと思えたのは確かだ。

「一応色々飲み物を試してみたが、ホットミルクなら砂糖入れんでも大丈夫だったな」
そういうと宇田川は箱ごと堂上の前に置いて戻っていった。

小牧がすかさず面白がるような表情を見せる。

「ホットミルクか。堂上にはいいね。いつも怒ってばかりでカルシウム不足みたいだし」
「そんなことはない!」
「ほらほら、そういうところがだよ」

ぐっと口ごもった堂上は、腹立ち紛れにチョコをいくつか小牧の前に落とした。
「お前も食え」
「俺は後で毬江ちゃんと一緒に楽しませて貰うよ」
そう言って小牧はチョコを懐に収める。

「あ、あの!俺も手伝います」
そう言って手塚も一つ手にしようとした瞬間、後ろから細い腕がにゅっと突き出された。

「ずるいですよ!人がお使いに行ってる隙にオヤツ食べるなんて」
「待て!笠原」
郁は堂上の止めるのも待たずに、包装をぴりっと破きチョコを口にポンと放り込んだ。

「あれ?甘くない......ってか苦っ!!!」
「阿呆か貴様!!」
涙目で口を押さえる郁の手をそっと外すと、堂上は自分のマグカップを郁の口に押し当ててゆっくりと傾ける。
「少しずつ、ゆっくり飲め」
郁が落ち着いたところで、堂上は手にマグカップを握らせた。

堂上に言われるままに、マグカップの中身を飲み干したところで郁はようやく息を吐いた。

「苦かったー」
「お前が意地汚い真似をするからだ」
堂上は郁の頭をコツンと小突く。

「なんなんですか?コレ...」
「宇田川班長からもらったチョコだよ。カカオ95%だって。そんなに苦い?」
そう答えたのは小牧だ。

「ココアパウダーの塊を口に放り込んだみたいな感じです」
「そっか。そう言えばホットミルクに合うって言ってたなあ」

あたしは、それでも無理かも。
そう答えながら、郁は手元のマグカップに目をやった。

この見覚えのあるデザインは確か...

「うわっ!すみません。直ぐに洗って淹れ直してきます」
そう言うなり郁は給湯室へと走る。

給湯室で堂上のカップを洗いながら、郁はふと気がついた。
堂上からカップを差し出されたとき、中身は既に半分ほどに減っていたことに。

「か...間接キス...」
途端に体中の血液が沸騰する。

って、あたしは中学生か!!
自分に突っ込みを入れるものの、一度早くなった鼓動は直ぐには元には戻らない。
洗い終わったカップを横に置き、自分のカップに水を汲むと一気に飲み干す。

ようやく何とか顔の火照りもひいたかと思われたときだった。

「おい、カップを洗うだけで何時までかける気だ」

かけられた声に身体がこわばった。

このタイミングで来るなんて、嫌がらせか!!
再び頬が熱を持つのを感じて郁は堂上に背を向けた。

「どうした?」
明らかに様子のおかしい郁の肩に堂上が手をかけた瞬間、郁は思わずその手を振り払った。

「笠原!?」
「すみません!ロッカーに忘れ物したので取ってきます!」

堂上に顔を向けないまま、郁は逃げるように駆けだした。

「おいっ!」
後を追おうとした堂上の肩は宇田川の大きな手でがっしりと掴まれた。

「セクハラは駄目だぞー!堂上」
「してません!」
慌てる堂上を他の隊員たちがニヤニヤと眺める。

「そうだよ堂上。間接キス強要なんてね...ぷっ」
完全に上戸のスイッチが入った小牧が自席で身体を二つに折っている。

「だ、誰がっ!!」

動揺する堂上を面白がるように、事務室内に笑い声が弾けた。

「顔赤いぞー!王子様」
「よっ!セクハラ王子」

悪乗りする隊員たちの間で、一人手塚は所在なくオロオロするばかりだ。
「手塚!こいつらを止めろ!」
堂上に声をかけられ、手塚は思わずビクッと身体を強張らせ顔をふるふると横に振った。

「おい、手塚?」
「あ...すみません。柴崎から業務部の手伝いを頼まれているので行って来ます!」
堂上に対して礼儀正しく一礼すると、そのまま足早に事務室を後にした。

「あいつ、逃げたな」
「妙な方向に知恵をつけてきたな」

手塚が逃げたことで宇田川はようやく堂上から手を放した。

「何するんですか!」
噛み付く堂上の頭を、宇田川はまあまあ落ち着けとポンポン叩く
その何処か覚えのある行為が余計に恨めしい。

「噛み付くのは勝手だが...そろそろ姫さん迎えに行った方がいいんじゃないか?」
ニヤニヤと楽しそうに眺める宇田川をキッと睨みつけてから、堂上はドアの方へとゆっくりと歩き出した。

堂上の足音が、廊下に出た瞬間に駆ける物に変わったのを聞いて、事務室には再び笑い声が響き渡った。

その片隅で小牧が一人腹筋を攣って苦しんでいることに彼らが気づくのはもう少し後のことである。

fin

話中にでてきたチョコは明治製菓の『チョコレート効果 CACAO 95%』です
かなり苦いですw
ホットミルクや甘いカフェオレと一緒に口の中でゆっくり溶かしながら食べるのがオススメです。


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Comment

はじめまして 

はじめまして、ニャムノキと申します。
2年ほど前からよく読ませて頂いているのですが、黒猫又さんの書くSSが大好き過ぎて、最近では原作の話かこちらのSSかわかんなくなることもたまにあります(苦笑)

小塚や郁が逃げて行く姿とか普通に思い描けて笑いが……特に郁は顔真っ赤にして逃げてるんだよなぁ、と思うとニヤニヤがとまりません
もちろん、その郁を追い掛ける堂上もですが(笑)

これからも素敵なSSを書いてください。
パラレルSSの柴崎の魔性な感じにタジタジです

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  • 2011.03/03 06:18分 
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  • 2013.01/26 11:24分 
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黒猫又かつえ

Author:黒猫又かつえ
『図書館戦争』シリーズへの萌えと妄想が暴走した挙句、二次創作に手を出し、とうとうブログまで開設
家族にはナイショの隠れオタク主婦

サイト名はスペイン語で「カミツレ」のこと

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リンクフリーです。貼るも剥がすもあなた次第ですが、連絡いただけると小躍りしますw

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